| X-20の秘め事 |
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師走の土曜日。M島先輩指定の店は西麻布にあった。入稿を終えて現場についたのは夜中の1時過ぎ。なのに、ネオンが光る店のエントランスからはニョロニョロと行列がのびてる。列の顔ブレはファーやボア付きコートですましたOL風、野郎はソフトスーツ、ストリート風、外人、いかにもモデル風もおります。オタク以外の一通り人種が揃ってるなあ。ボードには『未成年の入店お断り。身分証提示』。なにやらXー20指定。大人が密室で寿司づめになってやることって一体……早くもテカリ始める汗。高まる期待。にしヤン、多少前かがみになりながら列に並んだのでありました。 |
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| 同じアホなら! |
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入場料は3000円。おねえさんにお金を払うとドリンクチケットを2枚くれる。つまり2杯は酒が飲めるってわけだ。店にズイズと踏むこむと、1階フロアはカフェになっていた。ボクはチケットの1枚をビールに変え、カウンターにヒジを付いてクラブを観察した。コートを脱いだ女子たちは肌だしでキメていた。メンソールのタバコをモスラみたいに細ーく吹き出しながら、テーブルに鈴なりになってる。すましていても心の黒さとか、横チラとかが若干見えてまして、まさに発情期。ぎっちぎちに魚が詰まった金魚すくいくらい過剰なサービスになってますな……。中にはでっかいデメ金もいて、まさにナンパのためにあるような空間。すくうアホオに見るアホオ。同じアホならすくわにゃ損、損。手始めに横にいる肌だし金魚(小粒)に取材でもしてみようかと「あ」と言いかけた時。斜め横からズイっとミ身を乗り出してきた男が金魚(小粒)に声をかけた。 |
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| ジェニファーって誰だよ!! |
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「おーっ! ジェニファーじゃん!! 久しぶりーっ元気!?」
ジェ、ジェニファー? どっからみても日本娘じゃん。その上、この男。久しぶりとか言いながらがさっそく横チチ揉んでんじゃねー。いまだジェニファー、エロ男にレイ・セフォーなブーメランフックをかましたれ! あれ、ジェニファー喜んでる。なんだなんだー、この女、変態じゃねーのか?
あまりの精神構造不可解に、M島先輩にメール。アタタタタ、アチョー! メーデー! メーデー! 先輩、ジェニファーが横チチ揉まれてます!
『ふっ。まだまだ青いな。クラブでは袖で擦りあうも何かの縁。普通だったら鼻くそほども憶えていない、肩が触れ合った程度の仲でも、ここではマブダチだ。非日常な空間なのです。気にすることはない。20分ばかり話して、笑いがドッカンドッカンきたら、触ってよし! 嫌がったら加速装置を使って即時撤退! あ、それからな。ジェニファーの本名は民子です。ブーメランフックをかますどころか、ノゲイラな寝ワザにやられちゃってるかもしれません。よいですか。クラブでは高尚な男はモテません。バカに徹してよし。では検討を祈る』 |
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| ふふーん、首刈りじゃぁ! |
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| な、なるほどー。なにやらよくわからないけど、クラブは自力と。待っていても隣に女子は座ってこないと、そーゆーわけですな。攻めてよし。我明白。どうりで男子はみんなよからぬことを考える顔になっているのう……。
フと気がつくと、どんどこどこどこ、床下から地割れのような音が響いてきます。クラブのご本尊、DJブースは地下にある模様。こりゃいかん。外堀なんぞ埋めててもラチあきません。狙うは大将の首。ボクはプラスチックのコップに入ったビールを飲み干すと、地下に向かった。
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