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にしヤンがいく!夜の突撃体験談
これが、にしヤンの私的夜遊び!!
店を出ると、時計は午前2時を回っていた。俺は六本木通り沿いに歩道を歩いた。湿気を帯びた夜の空気と裏腹に、妙に乾いた靴音が響く。しばらく寂しさをやりすごし、外苑東通でタクシーを止めた。運ちゃんに抑えたトーンで行き先を告げる。新宿の花園神社わきで、止めてくれ……。「がってん……。お客さん、男だね……」 すべてを察した運ちゃんは寡黙だった。切なさと孤独を人生の養分とする俺は、終電を過ぎてから新宿のゴールデン街によく足を運ぶ。バラックのような小さな店で、居合わせた客たちと文化を語り、殺伐とした世界に警鐘を鳴らす。ハードボイルドな俺に、これほどふさわしい場所はない。
−−小計・筋のイイ運チャンへの支払い、2,260円 にしヤン
K田と共に店ゴールデン街の入り口でライターのK田は待っていた。合言葉は! 「なにが女だ!」 ビバ青春!! 俺たちは男道を追及する極太マッキーなデュオだった。
Iママの店はカウンターだけの小さな店だ。鄙びた店構えがイメージのゴールデン街だったが、今は随分とかわってきた。若いオーナーが増えて、小洒落ている。ママの店もそんな新生ゴールデン街の一軒である。
ゴールデン街、馴染みの店にて
凡庸な光景が身にしみる店内は相変わらず時間がゆっくりと経過していた。エッジを描くカウンターには30代の男たちが頬杖をついて話し込んでいる。カウンターのママがかすかにグラスの触れ合う音をたてた。ハードボイルドな俺には、こんな凡庸な光景が心に染みいることもある。
いつものやつ、それはチンザノ にしヤン
チンザノロッソ店カウンターに腰をかけた俺たち極太マッキーなデュオはハモった。ママ、いつものヤツ……。
「カルアミルクだったけ」
ちげーよ! チンザノ・ロッソ!
ふっ。相変わらずオチャメなママだぜ。そして、ちょっとイイ女だ。見た目は27、28歳だが、きっと違う。
オヤジギャグ、それもコミュニケーション にしヤン
オヤジギャグバトル隣のオヤジがまたやらかした。
「ママ、アゴに何かついてるよ」
「え!? なに?」
「うーんマンダム」

ママはきっと女性型のT-X型だ。オヤジの発射するシバレるギャグの乱れうちにも、眉一つ曇らない。そんできっかり1秒後に、ニッコリ笑う。その柔らかい物腰、包み込む笑顔。すいたらしく癒し系である。推定2055年製。笑顔のターミネーターに客の男どもは釘付けになる。カウンターは油汗ガマガエルの地獄にて、身動きがとれない。オヤジには負けられないぜ……。俺とK田のハードボイルドに火が付いた。闘魂がダーっ!になった。バトルが始まった。
「ダジャレを言う奴はだれじゃ? 」
「まかせとけ。ところでガンジーってどんな漢字??」
「うーん、内容がないよう」
「おまえらなあ……中国へ行っチャイナ」
「周富徳がシュート見とく」
「軽率だ!全員逮捕する!」

まさしく極太マッキー乱れ飛ぶシバレる駄洒落。にっこり笑うT-X型。オヤジとも立派に異文化交流できる俺達はまさしく極太マッキーだった。
天狗と自分をくらべて…… にしヤン
天狗とにらめっこ隣外にでると、ぼんやり空が白んでいた。一番街の駐車場ワキに、なぜか天狗の面が捨てられていた。それはまぎれもない極太マッキーだった。オヤジとのバトルを征して満足していた俺は無意識のうちに思った言葉が声になってでた。
「俺らちっぽけだなあ……」
天狗の面が極細マーカーに見えるその日まで、ハードボイルの旅は終わらない。
ある夜の夜遊び代、にしヤンの場合−−
合計1万2720円(一人分は1万220円)
にしヤン
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