| やってきたのは横浜たそがれ。ホテルの〜おうおう小部屋〜♪ 文章ではわかりにくいですがコブシも回してます。べつに歌わんでもいいですが、ちょっと緊張してるもんで、つい。クラブといえば中年の楽園。きっといる。京マチコみたいな太モモのはった昔風の美人が、きっといる。ちょっとドキドキするぞ。 |
| 席について待つこときっちり22秒。 |
「こんばんは。杏里です。よろしくお願いします 」
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| やってきたのはちょいタレ目、童顔の癒し系。全然、イマ風。予測と全然違うのはどういうこったい。もしかしてアレか。後頭部に突っ込みをいれると中から京マチコが「えーかげんにせー!」ゆうて飛び出してくるとか。 |
「京マチコって誰? 京本まさきなら知ってる」
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| 杏里さんったら、ラメ入りの黒ワンピからのぞく二の腕もヒザ下もほっそり。男子憧れのしなやかな巻髪。どうやら本気で今どきのマブのようですな。そんなら遠慮はいりません。こちとら過去一年ダイハード、もう大抵のことでは驚かんごつ、うおおおおぉーっ!! |
「にしヤンさん、ニューオリンズ育ち? 派手な挙動が不審ですけど」
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| あ、あなだばーっ! そ、そんなロリーフェイスし、してるぐせしでがらにーっ! なぜに目測で軽くオーバーEカップなのでずがーっ! げろがろうげあーっ! ばふーっ!! |
「え? いまのはどこの国の言語? テンション高い言葉だね。はい、乾杯」
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| ……。ヤレヤレ。最近の若い娘ときたらかなわんのう。なんぼダイハードでもいきなり紐ナシのバンジージャンプは取り乱すっちゅうの。いや、これこそがクラブテイストの術中かもしれん。こりゃ油断できんぞ……。 |
「にしヤンさん、お若いから友だち感覚でもいいかしら。私、飲まないとエンジンかからない身体なの。今日はまだシラフだから、一杯いただいていい?」 |
| も、もちろんだよ、ハニー……。 |
「じゃあ、遠慮なく。お酒は強くナイんだけど、好きなの。んくんく。ああーっもう! 五臓六腑にしみわたる!」 |
| そ、そんな一気に飲んで、大丈夫ですか? |
「えへ」 |
| えへじゃねーだろ。 |
「んー。自分でももうちょっと助走したかったなー、みたいな。でも、いきなりトップギア入っちゃったかなー、みたいな。私、酔うと陽気になっちゃうから、気抜くと失敗しちゃうのよねえ。お客さんにジャレたりしてさあ」 |
| ルックスに似合わない酔虎伝説。さすがクラブテイストな女。一筋縄ではいきそうにナイですのう。にしヤン家に先祖代々伝わる家訓にキュートなタレ目に騙されるな、いうのがありましてな……。 |
「それどういうこと。私、目タレてないよ。よく見て。こうやってね、上目使いの状態で見てもらうと、ほら、真っすぐ!」
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| 角度で調節してどうする。それにしても……酒で潤んだ瞳で発射する視線のセクシービーム。うわお! ロー・アングルで紐なしバンジージャンプが自然と強調されてげろがろうげあーっ! はあはあ。また爆発してしまった。これはもう、立派なヒットマンですな……。 |
「どうしたの、なんか自分を見失ってない? リラックスしてね、はい、タバコ。あら、汗の生産量がサウジアラビア。杏里が拭いてあげるね、拭き拭き。」
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| 困ったことに気のきく性格。居心地良いこと日本一。い、いかん、完全に術中にはまってる。こちとら過去1年ダイハード。絶対負けない気合いこそ大事なんやで……。 |
「ねえねえ。もう一杯いただいちゃ、ダメかしら」 |
| え? ば、ばっちこいやで、ハニー……。 |
「んくんく。美味しーっ! はー、リミッター外れてきた。もっとアクセル踏んでいい?」 |
| まだ出力上がんのかよ! |
「うん。今までのは30%くらいかな。もうあり余っちゃって、なんか手持ち無沙汰。もっと汗拭いてあげる。もう生産できないのー?」 |
| い、いや、まだ搾れば出ますが、そんなパワーアップしたウルウルの瞳で拭き拭きされた日には、おとうさんは間違いなく爆発してげろがろうげあーっ! ばふーっ!! |
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