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容赦なくぼんぼりの明かりが消える。広い公園内に街灯は少なく、あたりは真っ黒。仕方なく帰り支度を始める人が……誰もいねー。それどころか暗闇を待ちかねいていたかのように誰かが叫びました。「元気ですかーっ!」 おおーっとアチコチの暗闇がざわめく。「この酒を飲めばどうなるものか。迷わず飲めよ、飲めばわかるさ! いーち、にっ、さん! ダーッ!」 最後のダーッはお約束の大合唱。 |
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日本人はきっかけさえあれば盛り上がるエエ調子の民族のようです。イノキの気合いで、みんなリセットボタンおしまくり。一気に酒を流し込み、倒れるヤツ、暴れるヤツ、溶けるヤツ。立派だった宴会場は、ちょっと前の新宿西口より汚くなってきた。いまどき、「イエー」とか「まいっちんぐ」とかいったシビレるセリフが飛び交い、人生までリセットしそうな勢いです。 |
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青いブルーシートの海で方向を失い、ヤシの実のよに漂流する酔っ払いが続出。最初はドコのウマの骨ともわからないヤシの実に乱入されて困惑していた人たちも、まるでクモン式のようにみるみる上達。酔っ払いが踏み込んでくると、背中でラインコントロールして、オフサイドとってます。鉄壁のディフェンスに弾かれ路上に転がる酔っ払い。そろそろあちこちで凍死体の数も増えてきた。 |
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モーゼの十戒のように人の波が真っ二つに割れると、マブチモーター搭載のロボットのような動きで青い全身タイツの男が登場。かなり煮えているらしく、前ノメリに倒れる。が、急に動かなくなる突然死スタイルは会場のあちこちで流行っており、誰にも気にされることなく放置。気がついて駆けつけ、青ざめたのは救急隊員だけ。青タイツはオートマチックに担架で運ばれていった。さすが治安国家。ハンパな飲酒じゃ死ねません。 |
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宴会目的ではなく会場に来た人は酔っ払い見物が主流になっているようです。無理もない。会場にテレビモニターを持ち込んでカラオケするサラリーマン、フォークギターで「さらばシベリア特急」を熱唱するオヤジ。エンゲル係数の高そうな若者集団がナンパに失敗しまくり、オヤジが煮え、酔ったミニスカのおねえさんが野ザラシになってる。まるで前衛芸術のよな光景に、みな言葉を失いながら楽しんでおります。 |
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会場には三味線を弾く外国人、ファイヤー芸をみせるおにいさん、自分のハゲに懐中電灯の光を当てて練り歩くオヤジなど大技を繰り出す芸人たちも登場。それぞれがヤンヤの拍手を浴びており、場がさらに盛り上がる。おヒネリ入れの中には小銭の他に、缶ビールとよっちゃんスイカ。まさにヤリたい放題。 |
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奥に入った芝生の上はもっと過激だった。男ばかりの若者がもつれ合って倒れ、ホモ映画の回想シーンのよにハシャイでいる。いきなり流れてきた大音量の『ヤングマン』に振り返ると、スーツにアメリカ国旗を持って踊るサラリーマン3人組。もう我慢できないという感じで脱ぎ始め、最後はお約束のイモ芸でK点越え。それをみていたオジサンが「なんだかキレがねーな。こう、腰をグッと! ググッと!」と言いながら腰を回転させる。見事な演技指導にヒデキ感激(泣)。 |
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22時を過ぎると浜に打ち上げられた水母のように干からびた人が続出。ナゼ自分がココにいるのかよくわからないほどデキあがっている。つっぷしている男に「大丈夫ですか?」と話しかけると、「んー、たのむ。10秒ほど死なせてくれ」というので観察したいら、30秒後、うしろに倒れながら牛のごとく反芻(写真は自粛)。見事な水芸であったが……。 |
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宴会組、動かざること山のごとし。11時閉園で、管理組合の人も追い出しが大変……と思っていたら、雨が降ってきた。弱ったかなぶんのようだった酔っ払いたちも、急に精気を取り戻し、あと片づけに精を出す。会場を掃き、ゴミをまとめ、会場に設置された特設ゴミ置き場にキチンと分けて捨てている。うーむ。酔っ払い、見事なり。 |
| 宴会開始からすでに5時間が経過。やっと大集団が駅に向かい始めましたが、アチコチから声が! 「つぎ2次会行くぞー!」 死ぬのか? コイツ等は酒がきれると死ぬ生き物なのか? 不景気で元気がナイといわれている日本ですが、この会場には間違いなくパンドラの箱ひっくりかえしたよな希望があったのでした。彼らの夜桜はまだ終わらない。酔っぱらいを見ているだけでへろへろになったにしヤン、今日はこのへんでカンベンしといたろ!と強がって会社に逃げ帰った。 |