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にしヤンがいく!夜の突撃体験談
細い路地には酔客が行き交っていますが、そこらの普通の飲み屋街と変わらない。危険なことはナイようです。その時、キョセンが言いました。「この扉のマーク、これは絶対にオーナーは若者。
にゅ〜うえ〜ぶ系
」 見ると黒の扉に白い狐マーク。キョセン、生意気にも酒を飲む以外のこともできるようです。よーし、ココに決定。
ここいらでもひとつ男を下げる?
ってすんぽーよ。ぐわわわ。
ヘベレケで階段を上がると、
そこはロックとハーレーの館だった。
木目のハードなカウンター。ニューウェーブ系は店ごとにコンセプトが全然違うらしい。カウンターに腰を下ろすと……、そこにはキャロル系でキメたハードなアニキ。「初めてだね、何飲む?」 男気溢れるアニキの態度に、僕の脳ミソは一気に体力を回復。ネクタイを鉢巻きにしているキョセンの後頭部をスリッパでひっぱたかずにはおれない気分です。
「バ、バーボンの激辛を大盛りで! オス!」 なるべく男気のある注文をしたのですが、キョセンは「ジンジャーエールの小盛」とまるで男気がない。するとアニキ、笑って言います。「なに緊張してるの? ああ、コレか」 メタルフレームのグラサンをはずすと、穏やかな大人の視線。「
ここは自由な店だからさ、気楽に楽しんでよ
」
店のコンセプトは違っても、フレンドリーは新宿ゴールデン街共通らしい。
アニキは実にトークにたけており、僕らのアプローチをスウエーバック&ブロック、そしてローブロー。なんだか鍛えられて男が上がってきた。そこにずいっと入ってきたのは、隣で飲んでいたリーマン風。「大爆発といえば私のこと。ヤンキースでMATSUIが打てないなんて物騒なことになったら、変わりにオレが爆発する」 話がえらいことになってきました。これはまたしても酔わなければ試合が始まりません。
ウス! アニキ! 失礼して飲ませていただきます! おりゃあ! 立て、立つんだキョセン! ワキをしめて、絞り来むようにして飲むべし! 飲むべし!
……またしても飲みまくり。野球の話をしたり、俳句をひねったりしているうちに、気がつくと3人で濃厚なガブリ寄り。あったその日に
互いの初恋話を知る仲
にまでイッてしまったのです。
ゴールデン街はお店も客もフレンドリー。そして酔えば酔うほど強くなる、酔拳の使い手ばかりです。ゴールデン街は朝までやっているので、終電も気にせずに飲めますが、初陣の僕はもはや体力の限界。アニキ、ごちそうさまでした。アニキはきっちり明瞭会計してくれて、「また来てな」と送り出してくれた。『ゴールデン街』という晴れがましい名前からは全然ちがう、まったくもって爽やかな空間なのでした。
妙にウマのあったキョセンと花園神社で酔いをさまします。こんな飲み方、他にできないなあ。とっくに終電はすぎてる。
オイ、キョセン! イマの気分はどうだ!
「
3回殺されて4回生き返った気分!
」。なに! それで、勝ち負けでいうとどっちや! 「負け!」 僕らは打倒新宿ゴールデン街を誓いあい、花園神社でしばらく作戦会議を開いたのでした。
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