| 私、にしヤンに擦り寄ってきた御大の目が、いつもと全然違うのです。「ワシはブロンドが好きでのう」 ショーウィンドのトランペットを欲しがる外人の男の子のようにキラキラした目で、腹の黒いことを言うのです。そういえば昨日、どこからもらってきたんだか『ハスラー』やら『プレイボーイ』やら一日中眺めてたよなあ……。「東京ってのはスゴイとこでな。外国のお姉さんが踊ったり笑ったりしてくれる店があるらしい。それって男なら誰でも見たいじゃん」 御大、すっかり舶来のゴージャスな魅力にはまっている模様ですな……。「でもさ、店に入ったら、マッドマックス並みに怖い外人のおにいさんがでてきて、無事帰れないかもしれないだろ。でな、オマエ、今からちょっくら行って体験してこい」 マ、マッドマッ……ちょ、ちょっと待ってくださーい! 「一人じゃ心細いだろうから、一人残しておいた。おれは鶴を折りながら待ってるぞ。じゃ!」 ……昭和枯れススキ世代は微妙に世間ズレしてるなあ。
|
2月某日     |
| ブロンドのキレイなおねえさんが踊って笑ってくれる店なんてどこにあるんだよ……。パソコンにガブリ寄って調べたところ、ほ、ほう。外人のギャルが相手をしてくれる店は結構あるんですな。キャバクラのように席でお話できる店もあれば、キラキラのセクシーショーをみせてくれる店もある。 |
     |
| 夜の街の国際化は20年ほど前から始まったらしい。韓国、台湾の女のコが初期で、しだいにフィリピンなどの東南アジア諸国が加わり、現在はアメリカやカナダなどの英語圏にブラジルなどの南米圏、ルーマニア、スロバキアなどの東欧系美女も加わって、まさに世界規模。ゴージャス。すげえや。盆と正月がいっぺんにきたみたいです。 |
     |
| 背中にタダレたオーラを感じて振り返ると、ナニしてんだオマエは。「御大の命令で一緒にいけって言われたけんのう」 みなさん。同行するのは残念ながらこの方です。『忘年会編』で長渕剛を唄って会場を凍死させた男。広島出身の倉前氏です。「どこかのうさぎもビックリの語学力、みせますけんのう!」 いや、いい。おとなしくしててくれ。お願いだから。 |
     |
潜入先に選んだのは六本木の『セブンスヘブン』。日本で最初のジェントルメンズクラブで、本場・ラスベガスのショータイムを見せてくれます。エレベータ前には、セクシーなチラシ。ああ、緊張するなあ。心の準備はイイか、倉前くん。「のーぷろぶれむ」 逃げ足もバッチシか。「かいんどおぶ」 これでも立派な社会人。外人ギャル様に対して恥ずかしい。 |
     |
エレベータを降りると、そこは異国だった。出迎えてくれる外人スタッフ。「イッラッシャイマセ、ドウゾコチラヘ」 なんだ、日本語で大丈夫らしい。倉前くん、なぜか最敬礼。スタッフの彼も最敬礼。どうやらマッドマックスとは違うらしく、全然フレンドリー。エントリーフィーを払って入場する。通常は7000円でドリンクチケットが2枚。8時45分までに入れば5500円だ。 |
     |
席について飲み物を注文。正面にはステージ。そこで外国のお姉様がセクシーダンスを踊ってくれる模様。未知との遭遇です。緊張しますが、なにが起きようと高校球児のように全力で頑張るだけです。「なーに。こちとらの今日のテーマは荒海と日本男児じゃけんのー。いざとなればルックアットまいビッグアップルをドーンと!」 倉前くん、完全なアホです。 |
     |
きたー! BGMと同時に、セクシー衣装のキレイなおねえさん、舞台に登場。ウワー、脚なげー、顔ちっちぇー! これが本場ラスベガス!? コーフンのあまり鼻がバフバフっとなりました。「スバラシーコモエスタセニョリータ!」 気がつくと日本男児倉前くんも鼻がバフバフいっているのです。早くも前のめり。
 |