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| 18:33 |
夜の街を歩き出す。すると、花屋の前ではるかちゃんの足が止まりました。「や〜ん、キレイ!!」。女のコだなぁ。何ならプレゼントしようか? 気分は『プリティウーマン』のリチャード・ギア。「ううん。別に欲しかったわけじゃないの。気にしないで」。この奥ゆかしさ、たまりません。 |
| 18:36 |
「きゃ〜、キレイ!!」。一人、感動してる僕を置いて、はるかちゃんは三軒先の店前で再び叫んでます。目一杯、リチャード顔した僕も再び、何ならプレゼントしよ……ゲッ。ここはジュエリーショップ!? ゼロが5並びの値札をつけたリングを指して、「はるか、こういうの欲しかったんだぁ」とニッコリ。えっ。もしや今度はねだられてる!? |
| 18:42 |
ゼロ5並びリングなぞ買えるわけなく、ひきつる僕。相変わらずリングを指差し微笑む彼女。無言の攻防戦が5分続く。このままじゃマズイ。意を決して、「そ、そろそろ時間もアレだし、食事に行こうか」。明らかに声、裏返ってます。ヨーデル状態です〜。だが、意外にもはるかちゃん、「ウン」と素直に歩き出す。よがっだぁー。 |
| 19:00 |
キャバクラ帝王から教わった店へ。フツーの居酒屋なのに店内は完全個室なのがウリ。二人っきりのスイートタイムが過ごせるのです。よし、一気にキメるぞ。ズボンの上からブリーフのゴムを今一度パチン!! 「今の何の音!?」と、訝しげなはるかちゃん。いやいや、とにかく初めての二人の夜……いや、同伴にカンパーイ!! |
| 19:15 |
帝王によると、いくら二人きりでも、いきなり女のコのプライベートを根掘り葉掘り聞くのはヤボらしい。会話はキャバクラ内にいると時と同じノリが大事なのだ。なかなか楽しげなはるかちゃん。「でさぁ、さっきのリング、カワイかったよね。値段も手頃だったしぃ」って、またその話かいっ。あ、ホラ、この肉じゃがおいしいよ。食べて食べて、飲んで飲んでリングのことは忘れて〜!! |
| 19:30 |
会話は盛り上がり、梅サワーを飲んでたはるかちゃんの頬がほんのりピンクに染まってきた。ここが正念場です。店に行く前にちょっと休憩してかないかい? この一言だ。期待で鼻がバフッと鳴りそうなのを抑えるため、ちょっと一服。男前顔になり、渋くタバコに火をつける僕。はるかちゃんもイチコロ……って、見てねーじゃん。 |
| 19:32 |
ええい、ならば愛の熱視線攻撃じゃー。無言で彼女の視線を捕らえ……で、なぜに君は黙々とメシを食っとる!?
「もうそろそろ行かないと、お店遅刻して罰金取られちゃうから」。えっ、店には遅刻するって言ってあるんじゃないの?それには答えず、残りの梅サワーをグビッと飲み干したはるかちゃん。「じゃ、行きましょうか」。 |
| 19:38 |
ワケがわからんまま会計をすませ(もちろん僕が)、外に出る。すると、はるかちゃんが腕を絡ませてきた。たわわな胸が僕の腕にツンツンと当たり、たまらず鼻がバフバフッと2回鳴りました。彼女は甘えた声で「それにしても、あのリングかわいかったなぁ。ね!?」。広がりきった鼻の穴がシュワワと縮んだ僕は、聞こえないふり。 |
| 19:50 |
あの、これからどこへ? 「やだ、決まってるでしょ。ウチのお・み・せ」。……一縷の望みも絶たれました。すっかり弛緩しきった僕の体を引っ張るように、ネオン街に向かうはるかちゃん。心なしか徐々に早歩きになり、しまいには競歩状態です。店に到着するや否や、黒服の男性スタッフが「お待ちしておりました」。待ってたのね〜。こうして用意してたホテル代は、そっくりキャバクラに置いてゆくハメになりました。 |
| 翌日仏滅 |
| 夢破れ、今年もロンリークリスマス。すべてはリングをプレゼントしなかったせいでしょうか。納得がいかず、帝王にTEL。すると、「え、プレゼントぉ? 関係ないない。同伴ごときでヤレるわきゃないじゃーん。何、本気にしてたの!?」。初めて、殺意というものを知りました。ってなわけで、私が犯罪者になってなかったら、また次号お会いしましょう〜!! |