
ボクだったら想像を絶する致死量で凹んじゃいますけどね。
「普通はそう思いますよ。でも、なんでだろう・・・・・・。意外と凹まなかったんですよ。死亡説とかってボク以外にも、これまでに何人か出たと思うんですけど」
「そうそう。あと『水割りをください』の堀江淳さんね。堀江さんとは『あの人は今』的な番組でご一緒させてもらって、お話しさせていただいたことがあるんですけど、今の本業の他にカラオケの印税ね、『水割りをください』のカラオケの印税が年間200万くらいあるらしくて。オレと違うじゃん!? そんなの全然暮らしていけるじゃない!とか思いましたね(苦笑)」
「死亡説なんかはいいんですけど、暮らせなくなってくるのがホントにキツいんですよねぇ(しみじみと)」
でも、逆に再浮上のチャンスだったんじゃないんですか?
「全然全然。まぁ全然というか、それをチャンスに変える人はきっといるんでしょうけど、不器用なもんでね。僕にとっては死亡説は沈没のギアがそれまでまだ2速ぐらいだったのがトップギアにいきなり入った感じでしたね。堕落して行くスピードに拍車がかかっただけです」
「いや、そうは思ってなかったですね。まずね、そもそもボクなんかが売れちゃったことがおかしいと思ってましたし、『当然こうなるだろう』ってのは予測してました。ボクらの時代は売れるには8年から10年かかるって言われてたし、早過ぎると感じてたしね。だからね、仕事がなくなってきた頃って『よかったぁ、仕事が減ったよ』って喜んでたぐらいなんですよ。まぁ、何ヵ月か経った頃には『仕事、こんなになくならなくてもいいんだけどね』って自分に突っ込みましたけど(苦笑)」
「だって、やっぱり生活できなくなってくるんですよ。リアルに」
「そうなんですよね。でも、若手でお金がなかった頃もバイトなんて全然しませんでしたから、めんどくさくて」
「なんかね、自分に負荷を与えてたというかね。ファミレスとかコンビニとかでガッつりとバイトなんかしちゃったりするとね、例えば飲食店とかで『君、意外と動けるね!』とか店長に言われちゃったりして『今度、本社の人間に君が正社員になれるかどうかかけあってあげるよ』とかなんて言われちゃったり、同じ世代の人間がたくさんいたらバイトに行くのが楽しくなって苦じゃなくなったりしちゃったらお笑いに支障がでるかなと思ってたんですよ」

「なんかね、真剣にそう思ってたんですよ。だけどバイトはしましたよ、週に1回か2回、工事現場とかのガテン系の仕事。そういうとこって、もちろんあくまでボクにとってという視点からの私感なんですけど、そういう現場って環境が悪いじゃないですか。バイトにきてるのも暴●族だったり●卒だったりとか」
「とにかくろくすっぽな感じ、ちゃんとしてないというか、仕事に対する姿勢なんかも適当っていうかね。でも、そういう自分にとってはダメな環境に自分から飛び込んだら、『こんなとこお笑いで成功して早く辞めてやる』的な環境に身を置いたら、お笑いにも精が出るかなと考えたんですよ」
「でもね、そう思ってる反面、何にもやらないんですよ。結局ボクって人間はやらないんですよ。やんないくせにわざとそんなことをしちゃう」
「でしょう、自分でもそう思います。なんだろうなぁ、今のつぶやきシローって『あの人は今?』とかまでは行ってないけど、一発屋ではまだまだあるわけだし、この状況じゃ中々使いづらいんじゃないですかね」
でも、つぶやきさんの芸風ってギャグ一辺倒ってわけじゃないし、立派な話芸なんですから一発屋っていう概念には当てはまらないと思うんですけど?
「たしかにそうなんですけど、存在が一発屋なんですよ」
キャラ先行系の痛い部分なんですかね。こんなこと言うのも恐縮なんですけど、消費社会の犠牲者というか・・・・・・。
「犠牲者ですか! でもね、ボクと同じような状況から一度も落ちることなく上に行ける人はいるんですよね。さっきも言いましたけど、不器用なんですよ。ある意味もっと頭が良くて、器用だったらボクも落ちることなくいけたと思いますし、この業界って『こうくればああする。ああくればこう返す』みたいなベタな業界なんで、そんなことをちゃんとしておけばこうはいってなかったと思います」
「尖ってたんですよね。この業界にいるんだったら当たり前の事を当たり前のようにやるのが筋なんですけど、人間ができてなかったというか、今よりも人嫌いだったし、みんなと仲良くできなかったり、挨拶すらできなかったりと、そういう自分が苦手な部分ってできなかったらテレビにはむいてないってことばかりでしたしね」
「その通りです。みんなで盛り上げていこうって気持ちは当時ももちろん持ってたんですけど、そう思ってても感情の表現が下手だったりで全部がダメな方向に走り出して『あいつは何にもしねーし、やらせられねぇ』ってなっちゃうし」
周囲は栃木なまりのマッシュルームカットというキャラしか求めないし。
「そうそう。で、売れてきたら『わざとなまりやがって』とか言われて。もっとちゃんとしなきゃって思って楽屋の外で練習してたら『売れたヤツはオレたちと同じ空間にはいれないんだろ』的なことを言われちゃったりね」
「やっかみは酷かったですね。『なんであんなヤツが』って直で言われたりもしましたよ。この世界はそんなもんですよ」
売れたらある意味天国、そうでなければある意味地獄というか?
「ですね。ホント、売れたらある意味で天国ですよ。だってね、この商売なんて『お笑いやってます』って自己申告したってテレビで顔が売れてなかったら『何やってんの、まともに働けば?』って『30過ぎで何やってんの』ってなるわけじゃないですか。でもね、顔さえ認識してもらえれば、例えば『娘さんをください』ってなっても話を聞いてもらえるだろうけど、全然顔が売れてなかったら『お笑い、ふざけるな!』ってなるわけですよ。でね、『お笑いをやってるんですけど、それだけじゃ食べて行けないんで居酒屋の店長をやってます』みたいな、娘さんを養っていける能力はありますみたいなのってあるじゃないですか、それって芸人として何!?ってなるわけであって!!(大炎上)」
つ、つぶやきさん! なんか話がですねぇ・・・、なんかかなりリアルなんですけど何かあったんですか?
「(無視して)戸籍がないとか言っちゃうと大げさかもしれないですけど、売れないと芸人ってのは存在自体を認めてもらえないわけですよ。売れないとダメなんです。一般の人は顔を知っているかどうかだけで芸人の人間性まで決めてしまう。居酒屋で店長みたいなものがないと何も変わらない。そもそも芸人ってのは(さらに大炎上)」
つ、つぶやきさん!! わかりました、わかりましたから。ひとつ聞きたいんですが、つぶやきさんはご自身が芸人であるという事実をどうお考えなんですか? お話を伺っていると、あまり好きなものではないという感じがするというか、自身の存在を全否定されている気がするんですけど。
「当たってます、好きじゃないですしね。もちろん、最初はテレビっ子でね、ドリフから入って、とんねるずさんに憧れて、『テレビの世界に入りたい』って思いました。でも、こうなってみて思うんですけど、今は好きじゃないのかも。売れなくなった瞬間からバラエティー番組とか見なくなりましたね」
「そうですね。自分が芸人であることすら好きじゃなくなってきているかもしれませんね」