
●お酒か食事か、それが問題だ!
毎日飲んでるよ。自宅で飲むときもあるし、外で飲むときもあるね。食事、つまりね、3度目の食事となる夕食のときには必ず飲んでるね。僕は、お酒がメインではなくてね、食事を楽しむために飲んでるんだよ。
若いころは、酒だけを楽しむこともあったさ。大人になって、お酒が許されて、一番楽しいというか、粋がっていたときだからね。お金がないのにさ、朝まで飲むこともしばしばだった。周りに劇団の先輩とかね、それから、仕事先の若い連中とかがたくさんいたでしょ。そしたら、なんにつけ飲みに行くしかないでしょ。お酒の味を知ってしまったし。
でも、それも30、40才過ぎてからはだいぶ落ち着いたね。やっぱり自分の飲み方を身につけたからでしょう。おいしく食事をするためのお酒になった。つまり、お酒が嫌いになったわけじゃなくてね、食事をしながらのお酒が好きになったというわけさ(笑)。
二日酔いはないよ。芝居の後だと飲みはじめが10時をすぎちゃうこともあるけど、次の日仕事があるわけだから12時とか1時とかには飲み終わっちゃうわけじゃない。そうするとさ、そもそも二日酔いになるような飲み方にはならないわけよ。わかる? …あっ、そういえばこの前、2次会、3次会と行っちゃったな(苦笑)。でも、二日酔いにはならなかったね。
長年一緒に酒を飲んでる人? 特定の人はいないなぁ。僕はね、そのときその場の感じなんだよね。この前、芝居終わったんだけど、そのときは一緒にやってる連中と食事しに行ったね。で、そこで飲むわけだね。えっ中尾彬さん? うん、彼とも仕事のときだけだね。まあ、夕食時だから女房と一緒のことが多いかな。彼女はお酒飲まないけどね。
●若いころから生意気にワイン、飲ってました
僕、いまよく赤ワイン飲むんだけど、20歳になってお酒が飲めるようになってからワインには興味があったんだよ。40年くらい前の話。日本でそんなにワインがないときかな。パスタもスパゲッティって言っていて、喫茶店でナポリタンとかミートソースしかなかった時代だよ。そう、東京オリンピックのころだね。
みんな、そのころは甘ったるい赤玉ポートワインしか知らないわけだよ。僕はいろいろ試してみてね。それで、当時からワインってのは実に豊かな味わいをもつ酒だってことがわかったんだ。たとえば有名なところではキャンティ、いまじゃそんなにおいしいとは思わないけど、その当時から飲んでたもんさ。シャンデルタンとかボジョレーとかだって、なんとか若い連中にでも手が届くような値段だったから、ぐいぐい飲んでたよ。ボジョレーなんか干しぶどうの感じの味があるじゃない。それが好きだったなあ。まあ、かようにね、けっこう生意気にやっていたわけよ。それで、ワインがだんだんわかってきたわけよ。
赤ワインってほんとうに種類が豊富。国によっても色々ある。ホントにね千差万別なんだよね。たとえば日本酒よりも、違いってのがはっきりしてるんだよ。ちょっと酸味が強いとか、苦みが強いとか、土臭いとか、かびくさいとか、いろんな表現があるでしょ。それぞれが独特なんだよ、やっぱり。重いとか、軽いとか、それは、日本酒にもあるんだけど、赤ワインはもっと変化があるんだよね。僕はそこが好きなんだなあ。とくにかく楽しく飲むことができるよね。最初は軽いものを飲んで、だんだんしっかりしたものを飲む、みたいに飲ってるよ。
この前なんかね、シャトーラトゥールっていう、わりといいワインを飲んだんだけど、フカヒレ料理に合うってことがわかった。紹興酒ではなくてね、シャトーラトゥールとフカヒレ料理がさ、なんともいいんだよね。これは、一つの発見なわけだけど、そうした発見がまだまだあるってところが、ワインのいいところ、奥深いところなんだよ。
寿司屋に行ってもワインかって? いやそれはビールか日本酒でしょ。ただね、ビールは最初の一杯だけ。だって数の子とかね、ビールだと生臭くって口の中ひん曲がっちゃう。ワインもダメだし、ウィスキーでもダメ。やっぱり魚には日本酒だな。合うもの合わないものをわきまえてやったほうが、楽しいわけね。それをさ、若い連中とかは無茶苦茶やっちゃうんだよな。よくわかんないよな〜(笑)。
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